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きょうしんしょう狭心症

更新日:2022/08/10 公開日:2019/02/21 view数:10,504

狭心症とは?

狭心症(きょうしんしょう)は動脈硬化によって心臓の血流が悪くなり、心臓の筋肉(心筋)に酸素が十分に行き渡らなくなることで発症します。心筋梗塞と同じく虚血性心疾患のひとつです。冠動脈狭窄(※1)と呼ばれることもあります。血流が詰まり止まってしまう状態が心筋梗塞で、狭心症は血管が狭くなっている状態です。

また狭心症も症状によって複数に分類されています。高血圧糖尿病などが原因となり根治は難しいとされています。治療は薬での治療が原則的に用いられますが、心筋に血液を送る冠動脈で狭窄が起きている場合はカテーテルによる治療をおこなう場合もあります。


目次
  1. 狭心症の症状
  2. 狭心症の診療科目・検査方法
  3. 狭心症の原因
  4. 狭心症の予防・治療方法・治療期間
  5. 狭心症の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 狭心症になりやすい年齢や性別
  7. 編集部脚注

狭心症の症状

息切れや胸が締め付けられるように痛くなる、同時に歯が痛む、肩が痛むなどの放散痛を伴うこともあります。

狭心症の診療科目・検査方法

疲れやすく、軽労作で息切れのある場合は循環器内科を受診が必要です。

心電図、運動負荷心電図、薬物負荷心臓エコー、薬物・運動負荷心筋シンチグラフィ(※3)、冠動脈CT、カテーテル(※4)による冠動脈造影などの検査を行います。

狭心症の原因

高血圧症、脂質代謝異常症(※2)、糖尿病、喫煙、虚血性心疾患の家族歴を有する方が発症しやすいです。

狭心症の予防・治療方法・治療期間

すべての狭心症患者さんに薬物療法をおこなうのが原則です。

冠動脈に狭窄を認める場合には、病変の重症度によりカテーテル治療もしくはバイパス術(※5)が行われます。

薬物療法は生涯継続、一般にはカテーテル治療入院は3泊4日、バイパス術は10~14日間の入院を要することが多いです(入院期間の目安は、執筆医の経験則によるもの)。

狭心症の治療経過(合併症・後遺症)

根治は難しいが、治療を続けることで症状をやわらげることは可能です。

再発予防が重要です。

狭心症になりやすい年齢や性別

動いたときに狭心症の症状が現れる労作性狭心症の場合、男性は1000人あたり11.8人、女性は1000人あたり9.7人(調査対象2558人に対し)です。

中年以降の男性に多く発症している傾向にあり、女性は男性より年齢が遅めに発症します。

編集部脚注

※1 冠動脈

冠動脈は、「心筋(心臓の筋肉)」に酸素・栄養を届ける血管です。
「動脈が酸素・栄養を届けること」を「栄養する」と表現します。
「冠動脈は心筋を栄養する血管である」といった使い方をします。

右側の心筋を栄養するのが「右冠動脈」、左側を栄養するのが「左冠動脈」です。

左冠動脈は、「左冠動脈前下行枝(さかんどうみゃく-ぜんかこうし)」と「左冠動脈回旋枝(さかんどうみゃく-かいせんし)」に分岐します。
左冠動脈前下行枝は「左側前面の心筋」を栄養し、左冠動脈回旋枝は「背面側の心筋」を栄養しています。
冠動脈の内部が狭まると、血液が流れにくくなります。
その結果、心筋が酸素不足・栄養不足に陥るのが「狭心症」です。
もし、冠動脈が完全に詰まると、詰まった箇所から先の心筋は壊死します。
酸素・栄養が届かないからです。この状態に陥ると「心筋梗塞」と呼ばれます。

狭心症・心筋梗塞の2つを合わせて、「虚血性心疾患(きょけつせい-しんしっかん)」と総称します。

※2 脂質代謝異常症

脂質代謝異常症は、「血液中のコレステロール量、中性脂肪量に問題が生じること」を意味します。

具体的には「空腹時採血検査」の結果、

・LDLコレステロールが140mg/dL以上
・HDLコレステロールが40mg/dL未満
・トリグリセライドが150mg/dL以上

のいずれかを満たすと、脂質代謝異常症に該当します。

LDLコレステロールは「低比重リポタンパク(Low Density Lipoprotein)」を指しています。
世間一般では「悪玉コレステロール」という俗称が知られています。
HDLコレステロールは「高比重リポタンパク(High Density Lipoprotein)」です。
一般的には「善玉コレステロール」と呼ばれています。
トリグリセライドは中性脂肪を指します。

※3 心筋シンチグラフィー

心筋シンチグラフィーは、「心筋への血流を評価するための検査方法」です。

まず、放射性同位元素(タリウム-201、テクネチウム-199mなど)を注射して、血液中に放射性物質を入れます。
タリウム-201、テクネチウム-199mは、冠動脈から(酸素、栄養分などと同じく)心筋細胞に入る性質があります。
つまり、冠動脈の血流が十分なら、相当量の放射性同位元素が心筋細胞に入るはずです。

以上から、「放射性同位元素を注射したあと、心筋の放射性同位元素が発する放射線を観測する」という方法が役立ちます。
心筋全体から放射線が出ているなら、「冠動脈全体に十分な血流がある」と評価できるからです。
逆に、放射線の出ていない部位があるなら、「血液が行きわたらない箇所がある」とわかります。

このような方法を用いて、冠動脈の血流を評価する検査が「心筋シンチグラフィー」です。
血管それ自体ではなく、「心筋細胞の栄養状態から冠動脈の状況を評価する」という検査になります。
心筋シンチグラフィーには、「安静シンチグラフィー」と「負荷シンチグラフィー」が存在します。安静時に検査するか、運動で負荷をかけて検査するかの違いです。

冠動脈が狭くなっている狭心症の場合、「安静時は血流が十分だが、負荷をかけると血流が低下する」という検査結果が出ます。
冠動脈が詰まる心筋梗塞の場合、「安静、負荷のどちらでも血流が途絶えている」という検査結果になります。

体力的に運動負荷をかけるのが難しい患者さんでは、薬剤を用いて負荷をかける方法をとります。

※4 カテーテル

カテーテルは、「直径2~3mm、長さ1m前後の管」です。
心臓や冠動脈の検査・治療に用いられます。

冠動脈の検査・治療をおこなう場合、動脈の中を通して冠動脈まで進めます。
普通は、「太ももの動脈(大腿動脈)」「ひじの動脈(上腕動脈)」「手首の動脈(橈骨動脈)」からカテーテルを挿入します。

冠動脈のカテーテル検査では、「冠動脈内に造影剤を注入する検査」が知られています。
造影剤を注入してからCT撮影をすると、血管の形状を詳細に知ることができます。

カテーテル治療では、「冠動脈形成術」「ステント留置術」が知られています。
冠動脈形成術は「カテーテルを狭窄部位に進め、カテーテルに付属の風船(バルーン)を膨らませる治療法」です。
狭くなった血管を押し広げて血流を回復させます。

ステント留置術は「カテーテルを狭窄部位に進め、ステント(網状の金属器具)を設置する治療法」です。
再び狭まることがないように、金属器具で血管を支えます。

※5 バイパス術

バイパス術は、「冠動脈の狭窄部位・閉塞部位を迂回するための血管をつくる手術」です。

狭心症や心筋梗塞では、冠動脈の一部が狭窄・閉塞します。
その結果、冠動脈の血流が妨げられます。
たとえば、「A⇒B⇒C」と血液が流れている状態で、Bの部位が詰まったと考えてください。
この状態では、Cに血液が流れません。

そこで、直接「大動脈⇒C」に流れる血管(Bを通らない迂回路)を用意します。
「内胸動脈」「胃大網動脈」「橈骨動脈」「大伏在静脈」のいずれかを移植して、迂回路をつくります。
動脈を使った迂回路を「動脈グラフト」、静脈を使った迂回路を「静脈グラフト」と呼びます。

ただし、静脈グラフトは「手術から10年後の開存率(閉塞を起こさず、バイパスが開通している確率)」が低いことがわかっています。
そのため、近年は動脈グラフトを選択するのが一般的です。
特に内胸動脈を用いた冠動脈バイパスは、長期的な開存率に優れています。

執筆・監修ドクター

久保田 芳明
久保田 芳明 医師 久保田クリニック 医師 担当科目 内科/循環器内科/糖尿病内科/呼吸器内科/アレルギー科

経歴2006年 近畿大学医学部卒業
     東京都老人医療センター(現:健康長寿医療センター)初期研修医
2008年 独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター 後期研修医
2010年 日本医科大学付属病院 循環器内科入局 同大学院生、久保田クリニック副院長
2014年 日本医科大学付属病院 循環器内科助教

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