狭心症と心筋梗塞

狭心症と心筋梗塞の説明

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

狭心症と心筋梗塞とは、どんな病気?

狭心症と心筋梗塞、病気の特徴と違い

狭心症や心筋梗塞は虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)と総称され、ともに動脈の血管が硬くなる「動脈硬化」が原因で心臓への血流が悪くなる病気です。

■狭心症

狭心症は動脈硬化によって心臓の血管が狭くなり、血流が不十分になることで起こります。
血流が悪くなると心臓の酸素や栄養が不足し、胸の痛みや息苦しさを感じます。

狭心症は心筋梗塞の前兆ともいわれ、発作が頻繁に起きたり長引いたりする場合は、心筋梗塞へと進行している可能性があります。

■心筋梗塞

心筋梗塞は動脈硬化によって心臓の血管に血栓ができ、血が通わなくなってしまうことで心筋細胞が壊死していく病気です。
血流が止まってしまうことにより心筋が重度の酸素・栄養不足となるため、強い痛みや圧迫感を感じます。心筋梗塞は発見や治療が遅れてしまうと、死に至る可能性もあります。

狭心症の発作などの前触れもなく突然心筋梗塞を発症することもあるので、日ごろから定期検診を受け、異変を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。

【まとめ】

■狭心症

原因:動脈硬化が原因で心臓の血管が狭くなること
特徴:心筋梗塞の前触れ

■心筋梗塞

原因:心臓の血管に血栓ができて血が通わなくなること
特徴:発見や治療が遅れると死に至る可能性も

■共通する要素

・動脈の血管が硬くなる「動脈硬化」が原因で発症する

狭心症と心筋梗塞とは、どんな病気?

狭心症と心筋梗塞の種類

■狭心症の種類

心筋梗塞の前段階といわれる狭心症にはさまざまな種類があり、大きく分けると下記の4種類があります。

① 冠れん縮性狭心症(かんれんしゅくせいきょうしんしょう)

冠動脈が急にけいれんを起こすことで血管が狭くなり、血流が不足することで胸痛(きょうつう)を引き起こす発作です。
安静にしているときにも起こることがあり、安静時狭心症とも呼ばれています。

② 労作性狭心症(ろうさせいきょうしんしょう)

運動や興奮状態など、心臓への負担が大きくなったときに酸素の供給が間に合わなくなり、胸痛が起こる発作です。
動脈硬化によって血管の内側にコレステロールや脂質がお粥のように溜まり(プラーク)、血液の通り道が狭くなることで痛みを引き起こします。
痛みが出たあと安静にしていれば、数分程度で発作がおさまります。

③ 安定狭心症

狭心症の発作が起きる状況や強さ、持続時間が毎回同じ範囲内におさまっている状態を安定狭心症と呼びます。
心臓に一定以上の負荷がかかったときに胸の痛みが起こり、負担が減ると症状がなくなっていきます。

④ 不安定狭心症

反対に発作の起きる状況や、持続時間が一定していない状態を不安定狭心症と呼びます。
今まで発作の起きなかった運動や安静時にも発作がおこります。
血管の内側にあるプラークの表面が破れやすくなっている、または破れかかっており血栓ができやすい状態です。
血栓が血管を塞いでしまうと心筋梗塞に発展する可能性があり、注意が必要です。

■心筋梗塞の種類

心臓の血管が血栓によって完全に詰まり、心筋が壊死してしまう心筋梗塞には発症時期によって下記の3種類に分類されます。
心筋梗塞は、発症からの時間によって重症度や治療法が異なります。

① 急性心筋梗塞:発症から72時間以内のもの
② 亜急性心筋梗塞(あきゅうせいしんきんこうそく):発症から72時間以上~1ヶ月以内のもの
③ 陳旧性心筋梗塞(ちんきゅうせいかへきしんきんこうそく):発症から1ヶ月以上経過したもの

① 急性心筋梗塞

胸痛などの発作発生から2時間以内に閉塞した血管を再び開通させる「再灌流療法(さいかんりゅうりょうほう)」が必要になります。そうすることで、後遺症などの障害が残りにくいとされています。

② 亜急性心筋梗塞

壊死した心筋組織が線維化しているため症状が安定しているものの、残っている心筋への負担が高くなることから合併症を引き起こしやすくなります。

③ 陳旧性心筋梗塞

陳旧性心筋梗塞の段階になると、心筋の保護と動脈硬化の進展を抑え、次の心筋梗塞の発症を防ぐことが目的として生活習慣の改善が必要となります。

発症しやすい年齢・年代

狭心症や心筋梗塞はともに30代から発症が見られ、男性の平均年齢は62~65歳、女性の平均年齢は70~74歳にかけて患者数が増えていく病気です。
高血圧症や高脂血症などの生活習慣病、過度なストレスによっても発症のリスクが高まります。

また、加齢とともに血管の弾力性が失われ、心筋梗塞の原因となる動脈硬化が促進されます。
日ごろから食生活や運動、飲酒・喫煙の改善、適度に気分転換を図ることによって、健康的な生活を送ることが重要です。

心筋梗塞における死亡率

急性心筋梗塞の場合、病院に搬送される前に14%の患者さんが心停止してしまうといわれています。
急性期の死亡率は6~7%とされるため、発作が起こってからの素早い処置が必要になります。

発作時は迅速に救急車を呼び、心停止してしまったときは心肺蘇生のために心臓マッサージをすることが大切です。
2時間以内に再灌流療法をおこなうことで心筋壊死の範囲を狭め、生存率を上げることにもつながります。

板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

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