急性アルコール中毒

急性アルコール中毒にならないようなお酒の飲み方はありますか?

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

 

お酒を飲む量によって吸収の速度と酔いの度合いが変わってきます。
飲める量に個人差はありますが、あまり大量かつ一気に飲むと急性アルコール中毒になりやすくなります。
もし中毒者が出た場合は、救急車を呼んで応急処置をしましょう。

飲んだお酒は体の中でどうなるのか

  • 1.お酒を飲むと、約20%のアルコールは胃の中で吸収され、残りは小腸でゆっくりと吸収されます。
  • 2.次に肝臓で「アルコール脱水素酵素」という分解酵素がアルコールをアセトアルデヒドに分解します。さらに、アセトアルデヒドは肝臓内で酢酸に分解されて血中に放出されます。
    最終的に水と二酸化炭素になり、体外に排出されます。摂取したアルコールの2~10%はそのまま呼気に含まれたり、尿や汗となったりして排出されます。
  • 3.血中に入ったアルコールは、血液の循環によって脳に到達し、脳の神経に作用し、麻痺させます。その結果として酔うのです。

【参考】アルコール健康医学協会

アルコールの適正な摂取量

アルコールの代謝能力には個人差があるため、適正な量も個人差があります。
一般的には、2単位程度(ビールなら中びん21000ml、日本酒なら2360ml、焼酎なら1.2220ml、ワインなら360ml)が限度とされています。
しかし、一口ほどの少量の飲酒でも強く影響がある人もいます。

急性アルコール中毒とは

お酒を飲むと、胃や腸で吸収されたアルコールは肝臓で分解されます。
分解しきれなかったアルコールは血液に溶けこみます。
血液に溶け込んだアルコールは脳に運ばれることで酔いが回ります。
分解能力を超えたアルコール接種によって脳に届くアルコールの濃度も上昇します。
その結果、脳の機能が低下し「急性アルコール中毒」になるのです。

血中アルコール濃度は、飲酒した人のアルコール代謝能力をこえた酒量の飲酒、一気飲み、大量の飲酒によってアルコールの処理が追いつかなくなることが原因です。

アルコールによる脳への影響はごく軽いうちは顔が赤くなる、陽気になるというほろ酔いと呼ばれる状態です。
しかし、アルコールの代謝能力を超えた酒量や短時間のアルコール摂取などは小脳の運動機能に影響を与えて歩けなくなる、頭痛や吐き気、意識を失うということがおこります。

こうした症状は脳の呼吸中枢にも表れ、呼吸数が少なくなり死に至ることもあります。

主な急性アルコール中毒の症状は

・意識の混濁、昏睡、血圧の低下、呼吸の抑制、失禁
・顔面や全身の紅潮、灼熱感、発汗
・頭痛、不穏、目のかすみ
・嘔気・嘔吐、口渇
・脱力、低血圧
・記憶の抜け落ち

などです。

【参考】 Asahi 人とお酒のイイ関係

急性アルコール中毒

急性アルコール中毒を防ぐには

急性アルコール中毒にならないようにするためには血中アルコール濃度を上げないようにすることが重要です。
そのためには以下のようなことに注意しましょう。

一気飲みをしない、させない

一気飲みは急激にアルコールがとりこまれるため、血中アルコール濃度をあげます。
そのため、急性アルコール中毒をおこす危険性は高くなります。

また、飲酒の可能な量は人によりそれぞれ違います。
人によっては一口でも重症化することがあります。
アルコールの分解や代謝能力は遺伝による体質が大きくかかわっているとされています。
そのため、飲酒の経験を積んだとしても強くはなりません。
無理に飲酒を進めることは危険です。

適量を知り、体調を考慮する

個人によってアルコールの適正な摂取量はことなります。
自分の適量を把握し、それを超えないように飲酒量をコントロールすることが重要です。

また体調が悪かったり、風邪や花粉症などで薬を飲んでいると、アルコールの分解能力が低下することがあります。その日のコンディションを考慮し、場合によってはその日は飲酒をしないなどの判断も大切です。

空腹時の飲酒をしない。食事も一緒に取る

空腹時にいきなり飲酒をするとアルコールが胃腸から素早く吸収され、血中アルコール濃度が高くなります。
一緒に食事をすることで、アルコールの吸収速度をゆるやかにすることが可能です。

また、アルコールは胃への刺激が強いので、食事をすることで胃を守ることもできます。
アルコール度数の強いお酒は水や炭酸水で薄めたり、一緒に飲むことで胃への刺激を抑え、急激なアルコールの吸収を和らげましょう。

もし身近に急性アルコール中毒になった人が出たら

・意識がない(反応がない)場合は救急車を呼ぶ
・一人にしない
・横向きに寝かせる(仰向けにすると吐瀉物をつまらせて窒息する恐れがあります)
・ベルトやタイツ、ブーツなど身体を締め付けている物をはずす
・無理に吐かせない
・嘔吐した場合は吐瀉物をよく拭き取る
・呼吸や脈の有無を確認する
・体温が下がらないように毛布や上着をかける
・水分補給をさせる

 

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

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