きゅうせいしんふぜん急性心不全

心不全は、心臓に異常が生じて本来のポンプ、エンジンとしての機能が低下し、体に必要な酸素を届けるために必要な血液を拍出できない状態です。

呼吸困難や息切れが主な症状で、重症例では「血圧低下」「ショック」「意識障害」が出現します。

胸部レントゲン、心電図、心臓超音波などの検査は特に痛みをともなわずに実施が可能な検査です。ほかにも血液検査を行います。心臓カテーテル検査では局所麻酔が必要となります。

急性心不全は緊急性を要する疾患です。息切れがある場合は早めに医療機関を受診する必要があります。強い呼吸困難や血圧低下、意識障害があるときは、救急車を要請する必要があります。医療機関にかかる場合、循環器内科を受診しましょう。

心筋梗塞、心筋症、弁膜症、不整脈など、あらゆる心疾患が原因となります。

血液の流れを良くすることにより症状を早めに改善させ状態を安定させます。

重症の場合は集中治療室において治療を行います。

薬物療法では血管拡張薬や利尿薬、強心薬を使用します。呼吸の状態によっては酸素投与も実施され、非侵襲的陽圧換気用マスクによる人工呼吸補助装置による人工呼吸を行います。また補助循環をおこなう場合もあります。

大動脈内バルーンパンピング（IABP）、補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA)、経皮的心肺補助（PCPS）、補助人工心臓（VAS）などが治療に適応されます。

重症度によって治療期間は大きく異なります。

治療により状態を安定させます。

日本では心臓病による死亡は癌に次ぎ2番目になります。

心不全は心臓病の中で、もっとも死亡数が多く、2011年度の死亡率は約6%にのぼります。

日本全体における心不全患者の総数は2005年において約100万人、2020年には年間120万人に達するとされています(急性心不全と慢性心不全の内訳は不明)。

2013年に発表された日本の研究では、平均年齢は73 歳でした。

また58%が男性でした。高齢者の割合が増えていると言われており、筆者の経験則では、現在は急性心不全で入院となる患者さんの年齢は80歳を超えていることが多い傾向があります。