急性胃腸炎

急性胃腸炎の説明

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)
 
急性胃腸炎は、「吐き気・腹痛・下痢などの胃腸症状」が現れる病気のうち一過性のものを指します。長期的に胃腸症状が継続する場合、慢性胃腸炎などと呼ばれます。

食中毒を含めて、微生物やウイルスによる急性胃腸炎は「感染性胃腸炎」に分類されます。夏場(5月~9月ころ)は細菌性の胃腸炎、冬場(11月~3月ころ)はウイルス性の胃腸炎が増加する傾向です。O-157に代表される腸管出血性大腸菌による食中毒は、毎年、死亡例も出ています。重い胃腸症状が現れたときは、早めに医療機関を受診してください。

急性胃腸炎は、胃腸に発生する急性の炎症

急性胃腸炎は、嘔吐・下痢・腹痛を主な症状とする一過性の病気です。ウイルス・細菌などによる「感染性胃腸炎」、アレルギーなどを原因とする「非感染性胃腸炎」の2種類に大別することができます。

急性胃腸炎は、胃腸に発生する急性の炎症

感染性の急性胃腸炎

この記事では、主に感染性胃腸炎を扱います。「何に感染したか」によって、さらに細分化することができます。

▼ウイルス性胃腸炎
ノロウイルス、ロタウイルス、腸管アデノウイルスなどが主な原因です。冬場に流行しますが、腸管アデノウイルスによる胃腸炎は季節に関係なく発症します。成人の胃腸炎において最大の原因はノロウイルスで、2012年に日本全国で報告された食中毒・胃腸炎のうち66.0%を占めていました。

【参考】東京都感染症情報センター

▼細菌性胃腸炎
細菌性胃腸炎は、夏場に流行する傾向があります。食品を介して感染・発症した場合は「食中毒」と呼ばれることが多くなります。急性胃腸炎を引き起こす細菌にはたくさんの種類が存在しますが、有名なのは、腸管出血性大腸菌O-157、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌などです。
▼寄生虫による胃腸炎
ウイルス・細菌のほか、寄生虫による感染性胃腸炎も存在します。胃腸炎を引き起こす寄生虫としては、「アニサキス」「ランブル鞭毛虫(ランブルべんもうちゅう)」などが知られています。アニサキスはサバなどの魚介類、ランブル鞭毛虫は不衛生な水などが感染源になります。

非感染性の急性胃腸炎

ウイルス・細菌などの病原体に感染していなくても、急性胃腸炎を起こすことがあります。こちらでは感染性胃腸炎を主題としているので、非感染性胃腸炎のうち、代表的な3種類に関して「主な症状・対処法」を掲載するだけにとどめます。

▼アレルギー性胃腸炎
食物アレルギーの症状として、嘔吐・下痢などが生じることがあります。アレルギーの原因は人によってさまざまですが、胃腸炎の症状をきたしやすい食品としては、牛乳・卵・小麦粉・蕎麦などが知られています。アレルギーは「免疫の過剰反応」による症状なので、重度の場合はステロイド剤(免疫を抑制する作用がある)による治療をおこないます。予防に関しては、アレルゲンとなる食品の摂取を避けることが第一になるでしょう。
▼虚血性大腸炎(きょけつせいだいちょうえん)
虚血性大腸炎は、「大腸への血流が阻害されることで、炎症・潰瘍(かいよう)が生じた状態」です。酸素・栄養が十分に届かなくなり、大腸の粘膜が弱ることが原因です。動脈硬化で血管が狭くなった場合のほか、便秘で腸内圧力が上昇した場合も虚血性大腸炎を発症することがあります。大腸内部の圧力が邪魔になり、血液の供給がうまくいかなくなるからです。下痢・発熱・吐き気など胃腸炎の症状に加えて、「左下腹部に強い痛みが生じる」「下血(げけつ/血便のこと)がある」という特徴があります。たいていは一過性の症状ですが、重度の場合、大腸の一部が壊死する恐れもあります。壊死が起きた場合、外科手術を要します。
▼ストレス性胃腸炎
別名で「神経性胃腸炎」と呼ぶこともあります。内視鏡検査などで器質的疾患(潰瘍など、客観的に確認できる病気の原因)が見つからないにもかかわらず、胃腸炎の症状が出ます。神経性が疑われる胃炎を「機能性ディスペプシア」、腸炎を「過敏性腸症候群」と呼ぶこともあります。
胃炎に対しては胃酸分泌抑制薬・胃粘膜保護薬、腸炎に対しては整腸剤などを用いて対症療法をおこないます。
 

一緒に調べられている病気

感染性胃腸炎

食中毒

急性胃炎

板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。
 

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